全国紙元記者・編集委員、文化財ジャーナリスト小滝 ちひろ
講座説明
法隆寺、興福寺、當麻寺、達磨寺などを巡ります。
「大和名所図会」は江戸時代、寛政3年(1791)に書かれた奈良の旅行案内です。
航空写真などなかった時代に、詳細な俯瞰図で名所旧跡を紹介しています。
その絵を見ながら、奈良の古社寺を訪ねてみましょう。
現在まで230年の間に、歴史の波に消えたところ、今も残っているところなど、様々な発見ができます。
後期の内容
10月 法隆寺西院(斑鳩町法隆寺山内)+西里の町並み(法隆寺西一丁目)
五重塔や金堂がある境内を出発。太平洋戦争の空襲から寺を救ったとも言われるラングドン・ウォーナー氏の記念碑、法隆寺大工が住んだ西里の静かな家並みを訪ねます。豪華な副葬品が大量出土した藤ノ木古墳では、発掘当時の秘話をご披露しましょう。
11月 法隆寺東院(斑鳩町法隆寺山内)+中宮寺(法隆寺北一丁目)+中宮寺跡史跡公園(法隆寺東二丁目)
聖徳太子の斑鳩宮跡に建立された東院は、夢殿を中心とする太子信仰の霊地です。隣りの中宮寺には、頬にそっと指をそえる飛鳥彫刻・菩薩半跏像や天寿国曼荼羅繍帳も。最後は東の中宮寺跡へ向かい、発掘調査でわかった飛鳥時代の伽藍を偲びましょう。
12月 内山永久寺跡+なら歴史芸術文化村(天理市杣之内町)
奈良県が設けた「文化村」で文化財修復・展示棟などを見学後、東側の内山永久寺跡へ。明治の廃仏毀釈で消滅した巨大寺院跡を歩きます。伽藍は農地に変わりましたが、近くの石上神宮に移築された国宝建築などから往時の姿を垣間見ようと思います。
1月 興福寺(奈良市登大路町)
興福寺は大和随一の大寺院。名所図会には6ページにわたる詳しい絵図があります。境内や猿沢池など一帯を歩き、江戸時代と現代の違いに思いをはせます。図会になかった中金堂では、アフリカやカナダなどと興福寺の縁も確かめましょう。
2月 當麻寺(葛城市當麻)+石光寺(葛城市染野)
7世紀初めに創建されたという當麻寺は、蓮の糸で曼荼羅を織ったとされる中将姫伝説で知られます。その写しが残る曼荼羅堂や金堂、東西両塔などを歩き、やはり中将姫ゆかりの石光寺に向かいます。ここは平成に出土した白鳳の石仏が見どころです。
3月 達磨寺(王寺町本町二丁目)+西安寺跡(王寺町舟戸二丁目)
達磨寺は、聖徳太子と達磨大師が出会った伝説のお寺です。太子の愛犬雪丸の像や、法隆寺につながるトンネルかという古墳が残ります。西安寺跡は太子創建46か寺のひとつとされ、発掘調査で飛鳥時代の姿が明らかになってきました。
※小雨決行(台風などが予想される場合は文化センターでの座学に変更)
【前期実施】
4月「全体ガイダンス」(毎日文化センター)▽5月「長谷寺+輿喜天満神社」(桜井市初瀬)▽6月「喜光寺+菅原天満宮」(奈良市菅原町)▽7月「春日大社」(奈良市春日野町)▽8月「東大寺」(奈良市雑司町)▽9月「大神大社」(桜井市三輪)
※前期の受講者を優先しますので、早めにお申し込みください。定員になり次第、締め切ります。
※写真は法隆寺部分
- 講座タイプ
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常設講座
- 初回講座日
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2023年10月10日
- コース
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- 受講料
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6カ月6回
18,360円
資料代含む。交通費・拝観料別。
- 受講のしかた
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野外・提携・通信
電話でのお問い合わせは06-6346-8700へ